嵌頓痔核
左の写真は第4度の痔核が脱出したままで2日経過したときの写真です。嵌頓痔核と言います。激しい痛みがあります。黒く見える部分は一部が壊死になって
います。
安静にして、食事も制限して腫れがひくのを待たなければなりません。安静にして痛みが和らぐのに一週間以上かかることもあります。実際には、忙しくて、そ
んなに安静にして、寝ているわけには行かない場合が多いので、準救急的に手術することが多いです。
治療
痔核の治療の第1は排便習慣の改善です。食物繊維をたくさんとって、ほどよい硬さの便をするように心がけてください。
トイレに座っている時間が長いとその間に痔核は大きくなります。和式であっても、洋式であっても同じです。洋式トイレの様な穴の空いたイスでは座っている
間に肛門のうっ血は起こってきます。洋式では膝が痛くならないので、トイレで本や新聞を読む人もありますが、絶対にやめるべきです。
第1度は便秘や下痢に気を付けているとほとんど治療の必要はありません。
第2度、第3度は坐薬等の薬による保存的治療でだいたいは良くなります。第3度で出血が持続する場合は”輪ゴム結紮”等の処置が必要な場合もあります。そ
れでもだめなら手術が必要になります。
第4度でも坐薬等の薬で症状は和らげることが出来ます。力仕事をする人や、ゴルフ好きの人でショットの度に脱出するような場合は手術の適応になります。手
術する事で非常に楽になることが多いです。
痔核はどんなに大きくても、それ自体は癌のような悪性に変化する事はありません。毎日脱出しても、それが苦にならなければ手術しなくても坐薬で症状を和ら
げるだけで十分です。第3度くらいでも出血や脱出が苦になれば手術することで非常に楽になります。
悩んでおらずに専門医に相談して下さい。
新しい治療法(硬化療法)
中国で開発され、日本で安全な薬に改良されました。ALTAという薬剤を直接痔核内に注入して固まらして痔核を小さくします。
四段階注射法による硬化療法といいます。