大腸のポリープ

大腸の粘膜面に隆起してくる病変です。組織学的には若年性ポリープ、過形成性ポリープ、腺腫等、いろんな種類のポリープがあります。中でも一番問題なのは 悪性化の危険性がある腺腫です。大きさが1cmを越えると、ポリープの中にガン細胞が出てくる場合があります。過形成ポリープは悪性化する事はありませ ん。内視鏡検査でポリープが見つかったら、肉眼的にもだいたいはわかりますが、生検(組織の一部を採って顕微鏡で調べます)で確認します。

ほとんどのポリープは内視鏡で切除できます。

検診などで便ヒトヘモグロビンが陽性の場合はポリープが見つかる場合が非常に多いです。腺腫の場合は癌化の危険性があるので、ポリープの段階で切除 しておくことが必要になります。


1 ポリープの形


  ポリープの形はいろんなものがあります。わずかに隆起したもの、ある程度大きいが全く茎がないもの、極めて短い茎があるもの、かなり長い茎があるもの等い ろいろです。  

2 ポリープの症例


  写真は茎が長いタイプのポリープです。頭の大きさは約8mm大です。腺腫ですが、この程度の大きさのものは悪性の成分はありません。

  

3 治療(ポリペクトミー)


  写真は上の症例を内視鏡的にポリープを切除したものです。スネアと言って、”投げ縄”の様な形をした金属製のワイヤーを茎の部分にかけて、電流を流しま す。熱が発生して、焼き切ります。白い部分が茎がとれたあとです。熱で凝固されて白くなっています。

ポリペクトミーの合併症としては出血がありますが、ポリペクトミーをした時点で出血の危険性がありそうな場合はクリップという特殊な器具で処置を追 加する場合もあります。茎の無い非常に幅の広いポリープの場合は特殊な採り方をしますので、腸管穿孔の危険性もあります。この場合はたいてい、クリップを かけておきます。  

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