住民検診で便ヒトヘモグロビン陽性の症例です。大腸内視鏡検査で上行結腸に写真のような表面が顆粒状に隆起した癌が見つかりました。肝臓やリンパ腺への転
移もなく、手術で完治しました。
中には、痔からの出血だと思って、放置される方がおられます。便ヒトヘモグロビンが陽性の場合は必ず内視鏡検査を受ける必要があります。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍からの出血は胃酸でメトヘモグロビンというものに変化しますので、ヒトヘモグロビンは陰性になります。痔からの出血はヘモグロ ビンが壊れていない場合が多いので(血液そのもの)、やはり陰性です。
便ヒトヘモグロビンが陽性と言うことは胃酸の影響を受けない、小腸の終わりの方から大腸、直腸からの出血があると言うことです。”いぼ痔”や”切れ
痔”からの出血ではありませんから、放置せずに、必ず検査を受ける必要があります。