以下に示すような検査法がありますが、症状やおなかの所見でどの検査を最初にするか決めます。
直腸鏡です。文字通り、肛門縁から15cmくらいの範囲を観察するのには最適です。下剤等の前処置の必要もなく、簡単に検査が出来ます。検査時間は数分で
済みます。
写真は大型の浣腸の様な入れ物にバリウムが入ったものです。これをレントゲンで透視をしながら肛門から注入します。胃透視の場合はバリウムの濃度が
120%くらい
と、かなり濃いものを使用しますが、注腸透視では60%くらいの薄いものを使います。従って、胃透視の後のようにバリウムが固まって便秘になる心配はあり
ません。検査時間は7〜8分くらいです。
検査前日の夕方に特別な下剤を飲んで腸管内を空っぽにしてもらいます。
便通異常(便が硬くなったり、軟らかくなったり交互に入れ代わる)や腹痛の場合のように機能的な症状が主の場合は最初にこの検査をすることが多いで
す。
写真は大腸内視鏡です。以前はグラスファイバー製でしたが、現在の機種は先端に小さなテレビカメラがついており、テレビモニターで見ながら、肛門から挿入
していきます。小腸の最後の部分(回腸末端部)まで挿入して、空気でふくらまして観察しながらスコープを抜いてきます。検査時間は20分くらいです。
検査の前に約2リットル弱の腸管内を洗浄する薬を飲んでもらいます。これを飲まないと、腸管壁に付着した便汁で観察できません。大腸内視鏡検査その ものは20分くらいですが、この検査前の準備に2〜3時間を要します。
検診で便ヒトヘモグロビンが陽性だったり、便に再々血が混じったり、器質的な病気が疑われる場合は最初に内視鏡検査を行います。